彼女ができないという話

 とある人の話を聞いて、人は色々な悩みを抱えているんだなということを改めて思った。僕はわりかし気楽に生きているが、それでもあまり口にしない悩みは色々ある。そういう自分が向き合ってない部分を、見つめてみようかと思った。なのでできるだけ正直に、彼女ができないという話をしよう。自分の弱さとかダメな部分を知ることによって、求めるものに近づくための方法を探すことにもなるし、あるいは諦めて別のものを求めていくべきだという答えが得られるかもしれない。誰かと面と向かってこんな話をするのは絶対嫌だけれど、文字にするのは、僕にとってはそれほど苦ではないみたいだ。


 僕は女性にもてたことなどないし、誰かと付き合ったこともない。もちろん肉体関係などあるはずない。まあ性欲は人並みあるから、エロいコンテンツを見たりもする。実際の人間と接することがなくても、ネットがあるおかげでかなりの部分について性欲を満たすことは可能だ。いいんだか悪いんだか、ここである程度満たされてしまう。彼女なんかいなくてもいいや。という気持ちになるわけだ。それでも心の片隅には、パートナーを見つけてその人と時間を過ごしたいという感情がある。


 そういう気持ちがある中で、合コンというものに、3回くらい行ったことがある。まあ全部会社の人に誘われただけで、主体的なものはない。1回目はそれなりに話が盛り上がって連絡先を交換できた。なんか相手の人と連絡が取れなくなったので、結局失敗だった。盛り上がったと言っても、何か僕はいじられてただけのような気がする。主体的な発言はとくになし。


 2回目はひどかった。特別話すことがなくて何か僕だけ黙っていた。知らない人が向かい側で主役になって、色んな人の気を引きつつ、次絶対また会おうって約束してるのを聞いてたら、もうやってられない気分だった。そして、それに誘ってくれた人も気が合う人を見つけてしまって、そっちに夢中になっていたので僕はただうまくないメシをさっさと食べて、あとはひたすら早く終わらないかと思っていた。これは実にひどい経験だった。こういう時に気持よく話している人たちの話題に割って入るほどの根性は少しもない。とりあえず負け犬気分で去るのみだ。その次の合コンはお断りした。


 そのことは忘れた頃に、もう少し内々で3回めをやった。この時は自分のダメな所を知ってしまった気がする。まあ話はそこそこに盛り上がっていた。相手の人の連絡先を教えて欲しかったのに黙っていた。それで友人Xが連絡先を交換していたので、後で教えてもらおうって言いつつ何も言えてない。結局、そのXに対して「さっきの人の連絡先教えてくれないか?」って聞くのが実に格好わるいことだと思っているのだ。それくらいだったらその場で教えてもらえばいいんだけど、どうも何か自分がコントロール出来てない。それが自分のダメな所。多少なりとも、人前で格好つけたり要求を通したりすることは、別段悪いこととも言えない。そういうところで身を引いてはダメだなと思う。


 そういうところの精神構造は小学生ぐらいの頃と何も変わっていないなと思う。要するにあれだ。子どもたちが遊んでいる輪の中に「ぼくもいれてよ」という一言が言えない子供。そんな感じ。求めて断られるということを避けているわけだ。そういうところが弱点なのだろう。たとえば「○○を食べにいこう」とかもわりとダメだ。文字にしてみればなんとも何気ない要求だが、そういうことを発言するのができない。常識的に考えれば、そんな要求が受け容れられたって、断られたって自分にも相手にもさして影響はないのに、なんかできない。この辺をもう少し変えられたならば、受けはよくなるんじゃないか。


 それでそれ以降はとくに何もしていない。以前誘ってくれた人はすでにパートナーを見つけてしまっているので、このまま過ごしているだけでは変わらないだろう。うーん。我ながら実にヘタレである。そう、ルーンファクトリー4で結婚相手を選べてないくらいのヘタレっぷりである。誰かを好きであるということを隠さない人、自分の要求に素直な人、たとえば○○ちゃんぺろぺろとか日常的に言えている人はわりと凄いと思う。まあ、当人がいないから言えてるだけなのかもしれないけど。

 だいたいわかった。とりあえずルーンファクトリーやろう。そうしよう。