彼方のアストラ

アニメ、彼方のアストラを六話までみた。 故郷を遠く離れた宇宙に放り出された若者たちが惑星を旅する話。爽やかで、楽しそうだなと思う。青春、冒険、成長、そして空想科学。古典的なよさがある。それから特別感じるのは、いろんな出来事が理路整然としている、ということだ。AならばBと言う因果関係がすごく明示されていて、わかりやすい。様々なことに理由が提示されるので納得感がある。けれど、整いすぎていると言う違和感をも生んでいる。手頃なトラブルが、一定の解法を携えて降ってくる。種々の災いは、無茶なように見えて、いるべき人がそこにいて、しかるべき時に降ってくる。まるで、神が与えた試練のように。解法はそこにある。だからこそ爽やかで、すっきりするのだが、けれど何か、特別の感情が湧いてこない。たとえ仲間の一人が裏切り、銃を手に取ったとしても、最悪は訪れないだろう。胸の内で確信している。この物語は決して裏切らない。息がつまり、胸が苦しくなるような結末は決してない。そう思う。きっと彼らは、 作者の優しさに包まれている。子を守る親のような愛情のようなベールに守られている。大切に作られたストーリーなのだろうと推測できる。しかるべき姿だと思う。けれど邪悪な私にとっては、それが玉に瑕のように思える。生きるのはもっと泥臭く、退屈で、凄惨で、容赦ないことなんだ。と、知った風なことを思う。それは願望かもしれない。自分が苦しんだことと同等かそれ以上の苦しみをすべての人に味わってほしい。そうして分かち合いたいという。心が不公平だと喚いている。